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若い頃のように尿の勢いがよくない。

前立腺肥大症とは

前立腺は膀胱の出口付近を取り囲むように存在する男性にしかない臓器で、前立腺液といわれる精液の一部を作り、精子を保護する役割を持っています。

一般に男性は年をとってくると、若い頃に比べて尿が出にくくなり、その原因の中で最も多いのが、前立腺肥大症です。

前立腺肥大症とは、文字通り前立腺が肥大し、尿道が圧迫されて、排尿に関わるいろいろな症状が出現します。

人によって症状はさまざまですが、過活動膀胱症状(急に尿意をもよおし、トイレが非常に近くなる病気)を高率に伴いやすいことが最近わかってきています。

前立腺肥大症の症状

・外出すると、トイレがどこにあるか常に気がかりである。

・夜、トイレに何度も起きる。

・おなかに力を入れて排尿している。

・出し終わっても、残尿感がある。

・若い頃のように尿が勢いよく出ない。

・尿が分かれる

・排尿の途中で尿が途切れる。

・急に尿がしたくなり我慢できない。

前立腺肥大症の原因

前立腺が肥大する原因は正確にはわかっていませんが、男性ホルモンなどの性ホルモン環境の変化が関与すると言われています。

また、肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病との関連や日本人の食生活の変化、食の欧米化(肉やチーズ、脂肪の多い食事)との関連も検討されています。

また、野菜、穀物、大豆などに多く含まれるイソフラボノイドは前立腺肥大症の発症抑制効果があるとの指摘もあります。

前立腺肥大症の割合と治療の適応

年齢とともに前立腺が肥大し、50歳代の男性の約40~50%、80歳以上の男性では80%を超える人に前立腺肥大症があると言われ、男性の老化現象の一種といえます。

しかし、前立腺肥大があっても、必ずしもすべての方に治療が必要というわけではなく、前立腺肥大によって起こる症状がどの程度生活の支障となるかが重要です。

前立腺肥大があっても自覚症状が軽度であれば、経過観察で様子をみればよいし、予防的に治療をする必要もありません。

前立腺肥大症の合併症

自覚症状がなければ治療の必要のない前立腺肥大症ですが、進行すると様々な合併症を引き起こすことがあります。

▼血尿

前立腺肥大のために、尿道粘膜の充血が起こり、前立腺部の尿道粘膜から出血して、血尿が出やすくなります。

▼尿路感染症

排尿障害のために、膀胱内に残尿が増えると、尿路感染が起こりやすくなります。

▼尿閉

尿がたまっているのに、尿が出せない状態です。

飲酒や風邪薬の服用が尿閉を引き起こす要因となることもあります。

▼膀胱結石

常時残尿があり、感染を伴っていると膀胱内に結石ができることがあります。

▼腎機能障害

排尿障害あり、常に残尿が大量であり膀胱内に多量の残尿が残るようになると、膀胱から腎臓に尿が逆流し腎不全となることがあります。

前立腺肥大症の検査

自覚症状の評価

国際前立腺症状スコア(IPSS)

7つの下部尿路症状について、頻度に応じてスコアが設定され、患者自身が記入し、スコアを合計して自覚症状重症度を判定します。総スコア0-35点で、0-7点を軽症、8-19点を中等症、20-35点を重症と判定します。

直腸診

肛門から直腸に指を入れ、前立腺に触れることで、前立腺の形や硬さ、痛みの有無を調べます。

尿検査

尿の濁りや血尿の有無、尿路感染症の有無などを調べます。

尿流測定

尿の出方をグラフで示し、尿の勢い、排尿量、排尿時間などを数値化し評価します。

残尿測定

排尿直後に膀胱内にどれくらいの尿が残っているかを測定します。超音波での検査になります。

血液検査 PSA(前立腺特異抗原)、Crなど

PSAは前立腺癌のスクリーニング検査として、Crは腎機能の評価として行います。

超音波検査

超音波検査により、腎臓、膀胱、前立腺を描出して、尿路の形態を評価します。

排尿日誌

排尿日誌は、排尿した時刻とその時の排尿量を自分で記録することで、排尿回数や1回の排尿量、昼夜の尿量を評価します。

前立腺肥大症の治療

生活指導

生活での注意は、前立腺肥大症の症状を緩和します。

症状や合併症のない前立腺肥大症は治療の必要はなく、定期的な経過観察を行います。

・水分を摂りすぎない。

・コーヒーやアルコールを飲みすぎない。

・刺激性食物の制限

・便通の調節

・適度な運動

・長時間の座位や下半身の冷えを避ける。

薬物治療
▽α1遮断薬(ハルナール、フリバス、ユリーフなど)

前立腺平滑筋にある交感神経受容体(交感神経α1受容体)を遮断することにより、前立腺平滑筋を弛緩し(緩め)、尿道の圧迫を解除して、尿が通りやすくします。

副作用として、血圧低下によるめまいやふらつき感などが起こる場合もありますが、現在は副作用もかなり軽減されております。前立腺肥大の薬物治療によく使われる薬です。

▽PED5阻害剤(ザルティア)

勃起不全に使用されている薬ですが、前立腺や膀胱の出口の平滑筋を弛緩させて、尿を通りやすく作用があることが示されて、前立腺肥大症にも投与されるようになりました。

▽5α-還元酵素阻害薬(アボルブ)

前立腺を小さくして、前立腺肥大による尿道の物理的な圧迫を軽減します。

1年の内服で前立腺サイズが25〜30%縮小するとされています。

▽生薬、漢方薬

エビプロスタット:植物エキス製剤
セルニルトン、アピポーレ:植物花粉エキス、

猪苓湯、八味地黄丸など

有効性については十分な科学的根拠が示されていませんが、他の薬剤と合わせて使用し効果があることもあります。

手術治療

薬物治療を行っても、改善が得られない場合や、血尿、尿路感染、尿閉を繰り返す場合には手術による治療が行われます。

通常は、尿道から内視鏡を挿入して行う手術が行われます。

経尿道的前立腺切除術

ホルミウムレーザー前立腺核出術

レーザー前立腺蒸散術など

 

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